こんなお悩み、ありませんか?
親御さんからよく聞く声
- 「子どもが部活中にケガをしたけど、いつ冷やせばいいの?」
- 「温めていいタイミングが分からなくて、逆に悪化しないか心配…」
- 「そもそも、家庭でできるケア方法があるなんて知らなかった」
冷やす?温める? その判断、迷っていませんか?
スポーツ現場でもよく聞かれるのが、
「冷やすべきか温めるべきか分からない」という声です。
実際、ケガ直後の対応が遅れたり、
逆効果なケアをしてしまうことで、
回復が長引いてしまうことも少なくありません。
🧊 知っておくだけで変わる“初期対応”
処置の質が、回復スピードを左右する
でも、正しい知識さえあれば—— 家庭でもできる基本的な処置だけで、回復力を大きく高めることができます。
アスリートにもおすすめの“セルフケアの基本”
現場にトレーナーがいないとき、どうしますか?
この「RICE処置」と「アイスマッサージ」は、
アスリート自身が身につけておくべきセルフケアの基礎知識でもあります。
競技者として知っておくべき理由
- 練習後の疲労ケア・障害予防
- 遠征先などの応急対応
- トレーナーが不在の場面での自己管理能力の向上
対象となるのは…
- 小学生〜大学生までのジュニアアスリート
- 社会人・実業団・プロ選手まで含む競技者全般
このページで学べること
- RICE処置の正しい手順
- 冷やす/温めるタイミングの見極め方
- 氷嚢・紙コップ・アイスマッサージの具体的な方法
- ケガ予防としてのアイシングの活用術
怪我をしたら、まずは「冷やす」が鉄則
スポーツ現場でのケガ(捻挫・打撲・肉離れなど)には、怪我をした直後からいかに早く「正しい処置」をするかが回復のカギになります。
その基本が【RICE処置(ライスしょち)】と呼ばれる初期対応です。


RICE処置とは?
R=Rest(安静)
無理に動かさない。患部を休ませること。
I=Ice(冷却)
氷などで冷やして、腫れや内出血、炎症を抑える。
C=Compression(圧迫)
軽く圧をかけて、内出血や腫れを防ぐ(バンテージや包帯などで)。
E=Elevation(挙上)
腫れを防ぐため、心臓より高い位置に患部を上げる。
冷やすときのポイントは「質」!
炎症期(ケガ直後〜72時間)は、温めるのはNG。
この期間は【冷やすこと】が最優先です。以下のような方法があります。
🧊 アイシングの実践方法と注意点
① 氷嚢(ひょうのう)で冷却する場合


- 時間目安: 15〜20分 × 1日1〜3回
- 注意点:
冷えすぎ防止のため、タオルを1枚はさむ。
感覚がなくなるほどの長時間は避ける。
② 紙コップで作る「アイスマッサージ」


紙コップに水を入れて冷凍し、上部の紙をちぎって露出させた氷部分で、くるくると円を描くように患部をマッサージします。
- 時間目安: 1回20〜30秒 × 3〜5セット
- ポイント:
皮膚の感覚が鈍くなる手前で一度ストップ。
感覚が戻ったら再開することで、質の高い冷却が可能です。
③ アイスキューブでのマッサージもおすすめ


小さな氷をタオルに包み、くるくると円を描くように患部へ当ててマッサージします。
- 時間目安: 1セット 20〜30秒程度 × 3〜5セット
- ポイント:
皮膚感覚がなくなる前に一度止め、感覚が戻ったら再開。
🚫 保冷剤でのアイシングには注意!
凍傷(とうしょう)のリスクがあります
保冷剤(冷凍ジェルなど)は冷却力が非常に高く、直接肌に当てると凍傷になる危険性があります。
🔥 炎症のピークは「24〜72時間」
スポーツ現場の知見からも、炎症(腫れ・熱感・痛み)はケガ直後から3日間がピークとされています。


この期間に避けたいこと
- お風呂はNG(血流が良くなり腫れが悪化)
- シャワーのみにとどめて冷却を優先
- 毎日RICE処置を継続することで、二次的な組織損傷を抑えることが可能です
♨️ 温めていいのはいつから?|温熱ケアの始め方
🔴 炎症期(0〜72時間)
最も腫れ・熱感・痛みが強く出る時期。
→ 冷やす・動かさない・安静が最優先。
🚫 この期間にお風呂や温湿布はNG。血流が良くなって腫れが悪化する恐れがあります。
🟠 修復期(3〜7日)
炎症が落ち着き、回復が始まる時期。
→ アイシングを継続しながら、腫れや熱感が引いた部位には温めを取り入れてもOK。
♨️ 入浴や温パックを短時間から試し、様子を見ながら調整しましょう。
🟢 回復期(1週間〜)
筋肉や関節の動きを取り戻す段階。
→ ストレッチやリハビリの前後に温熱を組み合わせると、血流促進と柔軟性アップに効果的。
🏃♂️ 練習後の「予防アイシング」も有効!
急性期(ケガ直後)だけでなく、練習後のアイシングも非常に大切です。
こんな効果が期待できます
- 筋肉や関節の熱を取って回復をサポート
- スポーツ障害(オスグッド・ジャンパー膝・野球肘など)の予防
- 血管の収縮と拡張により、疲労の回復を促進
- 自律神経が整い、睡眠の質が上がることもあります
💬 |親御さんへ|こんなときはぜひアイシングを
- 「ぶつけた・捻った」などの外傷直後
- 本人が「違和感がある」と訴えているとき
- 練習後に「膝や足首が熱い・張っている」ように見えるとき
- 日頃から痛めやすい部位(膝・足首・肘など)のケアに
✍️ |最後に|正しいアイシングが回復を早める
間違った処置で回復が遅れるケースは、現場でも多く見受けられます。
冷やす時間・場所・タイミングを知ることで、ケガの悪化を防ぎ、競技復帰もスムーズになります。
「すぐにできるセルフケア」として、親御さん・選手自身にとっても、一生モノの知識になるはずです。



